原因、真因の違いは何か?詳細な解説
1.要因、原因、真因とは
■原因:今回の問題を起こしたもの
→要因分析:要因の有無、問題への影響があるかを解明する
■要因:問題を引き起こした可能性があるもの(影響のあるものと影響のないものがある)
→原因追及:疑っている要因が問題の原因か否かのを解明する
■真因:問題の根本原因
→真因究明:原因に対して再発防止の為に真因を深掘りする
2.要因分析時に確認が必要なこと
要因分析時に必要なのは事実である。事実を正しく把握することが非常に重要である。
2.1.問題発生時の事実確認
5ゲン主義(現場、現物、現実、原理、原則)に基づいて事実を確認しましょう。
・現場に行き、いつ、どの工程で?どの場所で問題が発生したかを確認。
・現物を確認し、どの部分で?大きさの程度は?
・現実を把握し、誰がやった?(新人?久しぶり作業者?)連続発生 or 散発?
・原理(発生メカニズム)は何か?
・原則(発生メカニズムを成り立たせるための条件)は何か?
2.2.事実の整理
■5W1Hに沿った整理:
・WHAT(対象):問題、依頼内容、作業内容
・WHEN(日時):タイミング、時間、期限、期間
・WHO(人):関連部門、作業者、管理者
・WHERE(場所):生産ライン、実施場所
・WHY(目的):目的、目標、理由
・HOW(方法):作業方法、手段
■分析手法:
・現物の分析:規格に基づいて事象を調査し、分析する
・再現試験:発生メカニズム(原理)やそのメカニズムを成り立たせる要素(原則)を分析した上で、不具合を発生させる要因の仮説を立てて再現試験を実施する。
・工程分析:4M(材料、機械、方法、人)に沿って要因を明確にする。
・ヒアリング・記録:記録や関係者にヒアリングし実態を確認する。
2.3.問題発生前の状況確認
■4M3Hに基づく過去の状況把握:
・4M:Material(材料)、Machine(機械設備)、Method(方法)、Man(人)
・3H: Hajimete(はじめて)、Henko(変更)、Hisashiburi(久しぶり)
■確認事項
・過去6ヶ月~1年間の生産状況(生産数量、製造ロット、工程内不良など)を確認し、不具合と関連する変化点(4M変更実績)や異常点(トラブルや機械停止等)がないかを確認する。
・工程能力の評価や品質特性の管理を確認する。
・使用していた加工設備やポカヨケ、点検シート、頻度、校正状況等を確認する。
2.4.時系列での事実整理
過去から問題発生時点までの事実を時系列に並べ、関係者の状況も把握しながら「なぜなぜ分析」を行うことで真因を明確にする。
事実を正しく把握し、整理した上で調査を進めましょう